Photoshopの調整レイヤー・その使い方とメリットを徹底解説

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    Photoshopで画像編集を行う際に、欠かせないツールの一つが「調整レイヤー」です。調整レイヤーは、画像全体の明るさや色味、コントラストなどを自由に変更できるだけでなく、元の画像データを損なうことなく編集を進められる便利な機能です。

    そこで今回は、初心者からプロまで幅広いユーザーに愛用されている調整レイヤーの基本的な使い方や具体的な活用方法、メリットなどを実例を交えながら解説します。

    調整レイヤーとは?

    調整レイヤーとは、Photoshopで画像の明るさや色合い、コントラストなどを調整するための専用レイヤーです。レイヤーマスクを使って、効果を適用する範囲を自由に設定できますし、複数のレイヤーに同時に適用することもできます。

    調整レイヤーを使うメリットは非破壊編集ができること

    調整レイヤーを使う最大のメリットは、元の画像を直接編集しない「非破壊編集」ができる点です。通常の編集では、編集内容が画像データに上書きされるため、元に戻すのが難しくなりますが、調整レイヤーを使えば、編集内容が別のレイヤーとして保存されるため、いつでも調整のやり直しや削除が可能です。

    また、調整レイヤーは、後から編集内容を見直すのが非常に簡単です。必要に応じて、調整レイヤーのプロパティを開くだけで設定を変更できます。また、調整レイヤーを削除すれば、元の画像に影響を与えずに編集をリセットできます。

    調整レイヤーの種類

    Photoshopの調整レイヤーには、さまざまな種類があり、それぞれ特定の用途に適した編集を行うことができます。主な調整レイヤーの種類を簡単に説明します。

    ・明るさ・コントラスト:画像全体の明るさやコントラストを簡単に調整する
    ・レベル補正:画像の黒レベル(シャドウ)、中間調、白レベル(ハイライト)を個別に調整する
    ・トーンカーブ:画像の明暗をより細かく調整するための高度なツール
    ・露光量:画像の露出(露光)を調整する
    ・色相・彩度:色相(色の種類)や彩度(鮮やかさ)、明度(明るさ)を調整する
    ・カラーバランス:シャドウ、中間調、ハイライトごとに色味を調整する
    ・白黒:カラー画像を白黒に変換しつつ、各色チャンネルの明るさを調整する
    ・レンズフィルター:写真に特定の色のフィルターをかける効果を再現する
    ・チャンネルミキサー:RGB(赤・緑・青)の各チャンネルをカスタマイズしてカラー編集を行う
    ・グラデーションマップ:グラデーションを使って画像の明るさの範囲を置き換える
    ・選択カラー:特定の色(赤、緑、青、シアン、マゼンタなど)の成分を調整する
    ・ポスタリゼーション:トーンの段階数を減らしてポスターのような効果を作る

    調整レイヤーリスト

    調整レイヤーの使い方

    調整レイヤーの使い方は、主に3つあります。ここからは一つずつ紹介します。

    レイヤーパネルから調整レイヤーを新規作成する方法

    まずPhotoshopで画像を開きます。画面右下の「レイヤーパネル」にある「調整レイヤーを新規作成」アイコン(丸い白黒のシンボル)をクリックします。

    調整レイヤーを新規作成

    表示されたリストから、調整したい項目(例:明るさ・コントラスト、トーンカーブ、カラーバランスなど)を選択します。そうすれば調整レイヤーが追加されます。このレイヤーを選択すれば上のプロパティパネルでスライダーが表示されますので、そこでパラメータの調整を行います。

    数値調整

    色調補正パネルから作る方法

    もうひとつは、色調補正パネルから調整レイヤーを作る方法です。Photoshop画面右側の「色調補正パネル」から、使いたい調整レイヤーの種類を選びましょう。先ほどと同じように、選択した色調補正の調整レイヤーが作成されます。

    色調補正パネル

    ちなみにもし色調パネルが表示されていない場合は、メニューバーの「ウインドウ」から「色調補正」をクリックすると表示できます。

    メニューバーから調整レイヤーを作る方法

    メニューバーから作る方法もあります。メニューバーの「レイヤー」→「新規調整レイヤー」を選択し、使用したい色調補正をクリックします。レイヤー名をつけるパネルが出てきますので、適宜入れてください。

    レイヤーメニュー

    おまけ:左手デバイスTourBoxで調整レイヤーを簡単作成

    TourBoxはPhotoshop、Lightroom、CLIP STUDIO PAINT、Final Cut Proなどのクリエイティブソフト向けに開発された左手デバイスシリーズです。様々な操作をTourBoxに割り当てでき、片手で快適に操作可能です。

    Photoshopの調整レイヤー作成は専用のBuilt-inで実現可能ですので、機能をボタンに設定すれば、Photoshopのメニューやパネルから探さなくても、ワンクリックで調整レイヤーを作成できます。

    【Photoshop】ワンクリックで調整レイヤーを作成するには?

    Built-in

    調整レイヤーをかけたレイヤーを結合するときの注意

    Photoshopで調整レイヤーをかけたレイヤーを結合する際には、いくつかの注意点があります。

    非破壊編集ができなくなる

    調整レイヤーを結合すると、調整内容が固定化されて非破壊編集の利点を失います。元の状態に戻したり、調整を再編集することができなくなるため、慎重に判断する必要があります。結合する前に、レイヤーのコピーを作成しておくことで、元データを保存しておくと安心です。

    レイヤーの柔軟性がなくなる

    複数の調整レイヤーを重ねて複雑な効果を出すこともできますが、結合すると一つのレイヤーになってしまうため、その柔軟性が失われます。全てのレイヤーを結合するのではなく、必要な部分だけを結合することも可能です。レイヤーマスクを活用することで、より柔軟な編集ができます。

    画像編集

    まとめ

    Photoshopの調整レイヤーは、画像編集において、後からでも変更可能な非破壊編集ができる便利な機能です。写真の色味を思い通りに調整したり、コントラストや明るさも自由に変えられます。複数のレイヤーを結合すると、非破壊編集のメリットがなくなってしまうため、結合は慎重に行います。結合する前に、コピーをとっておくと安心です。

    Photoshopのメニューから作成したい調整レイヤーを選択する以外、左手デバイスTourBoxを使ってより便利に調整レイヤーを作成できます。作成後のパラメータ調整もTourBoxのノブやダイアルを回して操作可能です。その他ツール選択やキャンバス回転などいろんな作業もTourBoxで効率的に完成できますので、Photoshop全体の作業速度と使い勝手が向上します。

    左手デバイスTourBox
    クリエイター向け

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